【注】
・「マンションの管理の適正化の推進に関する法律」を「マンション管理適正化法」という。
・「マンションの管理の適正化の推進に関する法律施行規則」を「マンション管理適正化法施行規則」という。
令 和 7年 度 管理業務主任者試験
【 問49 】 マンション管理業者に関する次の記述のうち、マンション管理適正化法によれば、最も適切なものはどれか。ただし、書面の交付に代えて電磁的方法により提供する場合については考慮しないものとする。
1 マンション管理業者は、管理事務の委託を受けた管理組合に管理者等が置かれているとき(当該マンション管理業者が当該管理組合の管理者等であるときを除く)は、管理事務の報告を行う場合、報告の対象となる期間、管理組合の会計の収入及び支出の状況のほか、管理受託契約の内容に関する事項を記載した管理事務報告書を作成し、管理業務主任者をして、これを管理者等に交付して説明をさせなければならない。
2 マンション管理業者は、業務状況調書、貸借対照表及び損益計算書又はこれらに代わる書面をその事務所ごとに、備え置かれた日から起算して 1 年を経過する日までの間、備え置かなければならない。
3 マンション管理業者は、管理組合から委託を受けた管理事務について、帳簿を作成し、各事業年度の末日をもって閉鎖するものとし、閉鎖後は当該マンション管理業者の登録がその効力を失うまで、当該帳簿を保存しなければならない。
4 マンション管理業者は、従前の管理受託契約と同一の条件で管理組合との管理受託契約を更新しようとするとき、当該管理組合に管理者等が置かれていて、当該管理者等から承諾を得た場合には、当該管理組合を構成するマンションの区分所有者等全員に対して重要事項を記載した書面を交付する必要はない。
(筆者による一部改題)
出典:令 和 7年 度 管理業務主任者試験(一般社団法人 マンション管理業協会)
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正解は 1 です。
【前提知識】
・マンション管理適正化法(令和8年4月1日 施行)
・マンション管理適正化法施行規則(令和8年4月1日 施行)
※本記事では、令和7年度管理業務主任者試験の問題を、現在施行されている法令に基づいて解説しています。なお、問題文も現行法にあわせ一部改題しています。
以後の記事中「マンション管理適正化法」を「適正化法」、「マンション管理適正化法施行規則」を「法施行規則」と略している。
1 正しい。
管理組合に管理者等(理事長など)が置かれている場合(当該マンション管理業者が当該管理組合の管理者等であるときを除く)、マンション管理業者は定期に、管理業務主任者をして、管理者等に対して管理事務の報告を行わせなければならない。
(適正化法77条1項)
報告を行うときは、管理事務報告書を作成し、管理業務主任者をして、これを管理者等に交付して説明をさせなければならない。
なお、報告書には、①報告対象期間、②会計の収支状況、③管理受託契約の内容に関する事項などを記載する。(法施行規則88条1項)
(管理事務の報告)
第七十七条 マンション管理業者は、管理事務の委託を受けた管理組合に管理者等が置かれているとき(次項に規定するときを除く。)は、国土交通省令で定めるところにより、定期に、当該管理者等に対し、管理業務主任者をして、当該管理事務に関する報告をさせなければならない。
2 マンション管理業者は、管理事務の委託を受けた管理組合に管理者等が置かれていないとき、又は当該マンション管理業者が当該管理組合の管理者等であるときは、国土交通省令で定めるところにより、定期に、説明会を開催し、当該管理組合を構成するマンションの区分所有者等に対し、管理業務主任者をして、当該管理事務に関する報告をさせなければならない。
(適正化法・e-GOV法令検索)
(管理事務の報告)
第八十八条 マンション管理業者は、法第七十七条第一項の規定により管理事務に関する報告を行うときは、管理事務を委託した管理組合の事業年度終了後、遅滞なく、当該期間における管理受託契約に係るマンションの管理の状況について次に掲げる事項を記載した管理事務報告書を作成し、管理業務主任者をして、これを管理者等に交付して説明をさせなければならない。
一 報告の対象となる期間
二 管理組合の会計の収入及び支出の状況
三 前二号に掲げるもののほか、管理受託契約の内容に関する事項
(略)
(法施行規則・e-GOV法令検索)
2 誤り。
マンション管理業者は、事業年度ごとに業務及び財産の状況を記載した書類を、各事務所に備え置かなければならない。(適正化法79条)
なお、備え置く期間は、備え置かれた日から起算して「3年間」である。(法施行規則90条4項)
(書類の閲覧)
第七十九条 マンション管理業者は、国土交通省令で定めるところにより、当該マンション管理業者の業務及び財産の状況を記載した書類をその事務所ごとに備え置き、その業務に係る関係者の求めに応じ、これを閲覧させなければならない。
(適正化法・e-GOV法令検索)
(書類の閲覧)
第九十条 法第七十九条に規定するマンション管理業者の業務及び財産の状況を記載した書類は、別記様式第二十七号による業務状況調書、貸借対照表及び損益計算書又はこれらに代わる書面(以下この条において「業務状況調書等」という。)とする。
(略)
4 第一項の書類は、事務所に備え置かれた日から起算して三年を経過する日までの間、当該事務所に備え置くものとし、当該事務所の営業時間中、その業務に係る関係者の求めに応じて閲覧させるものとする。
(法施行規則・e-GOV法令検索)
3 誤り。
マンション管理業者は管理事務に関する帳簿を作成し、各事業年度の末日をもって閉鎖するものとし、閉鎖後「5年間」保存しなければならない。(適正化法75条・法施行規則86条3項)
したがって、マンション管理業者の登録がその効力を失うまでではない。
(帳簿の作成等)
第七十五条 マンション管理業者は、管理組合から委託を受けた管理事務について、国土交通省令で定めるところにより、帳簿を作成し、これを保存しなければならない。
(適正化法・e-GOV法令検索)
(帳簿の記載事項等)
第八十六条 マンション管理業者は、管理受託契約を締結したつど、法第七十五条の帳簿に次に掲げる事項を記載し、その事務所ごとに、その業務に関する帳簿を備えなければならない。
(略)
3 マンション管理業者は、法第七十五条に規定する帳簿(前項の規定による記録が行われた同項のファイル又は電磁的記録媒体を含む。)を各事業年度の末日をもって閉鎖するものとし、閉鎖後五年間当該帳簿を保存しなければならない。
(法施行規則・e-GOV法令検索)
4 誤り。
従前と同一条件で契約を更新する場合、説明会の開催は省略可能だが、「区分所有者等全員に対する重要事項を記載した書面の交付」は省略できない。(適正化法72条2項・3項)
(重要事項の説明等)
第七十二条 (略)
2 マンション管理業者は、従前の管理受託契約又は管理者受託契約と同一の条件で管理組合との管理受託契約又は管理者受託契約を更新しようとするときは、あらかじめ、当該管理組合を構成するマンションの区分所有者等全員に対し、重要事項を記載した書面を交付しなければならない。
3 前項の場合において当該管理組合に管理者等が置かれているときは、マンション管理業者は、当該管理者等に対し、管理業務主任者をして、重要事項について、これを記載した書面を交付して説明をさせなければならない。ただし、当該説明は、認定管理者等から重要事項について説明を要しない旨の意思の表明があったときは、マンション管理業者による当該認定管理者等に対する重要事項を記載した書面の交付をもって、これに代えることができる。
(適正化法・e-GOV法令検索)
(解法のポイント)
管理者等の承諾の有無にかかわらず、区分所有者全員への重要事項書面の交付義務は生ずる。


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