今回のテーマは、「区分所有法」である。
なお、「建物の区分所有等に関する法律」を「区分所有法」という。
令和7年度 管理業務主任者試験
【 問25 】 区分所有法に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
1 数人によって、一棟の建物を区分し各その一部を所有する形態の建物は、区分所有法の制定によって初めて認められた。
2 一棟の建物に構造上区分された数個の部分で独立している部分を所有権の対象とするには、住居としての用途であれば区分所有権の対象となるが、駐車場としての用途に供する場合は区分所有権の対象にはならない。
3 区分所有者は、全員で、建物並びにその敷地及び附属施設の管理を行うための団体を構成するが、借地上の区分所有建物については、このような団体は構成されない。
4 敷地利用権とは、専有部分を所有するための建物の敷地に関する権利のことを指し、所有権、地上権、賃借権のほか使用借権の場合も含まれる。
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正解は 4 です。
【前提知識】
区分所有法
1 誤り。
区分所有法(建物の区分所有等に関する法律)が制定されたのは1962年(昭和37年)だが、一棟の建物の一部をそれぞれ独立した所有権の対象とする形態(区分所有)自体は、それ以前から認められていた。
明治31年に施行された旧民法第208条において、「数人ニテ一棟ノ建物ヲ区分シ各其一部ヲ所有スルトキ」という規定がすでに存在していた。
しかし、旧民法の規定は1つの条文しかなく、高層マンションのような複雑な権利関係(共用部分の持分や敷地利用権など)を調整するには不十分だったため、より詳細なルールを定めた専門法として「区分所有法」が新しく制定されたという経緯がある。
(建物の区分所有)
第1条 一棟の建物に構造上区分された数個の部分で独立して住居、店舗、事務所又は倉庫その他建物としての用途に供することができるものがあるときは、その各部分は、この法律の定めるところにより、それぞれ所有権の目的とすることができる。
(区分所有法・e-GOV法令検索)
2 誤り。
区分所有権の対象(専有部分)となるための要件は、「構造上の独立性」と「利用上の独立性」の2つである。用途が住居であるか駐車場であるかは関係ない。
駐車場であっても、壁や柱などで明確に境界が区切られており(構造上の独立性)、独立して店舗や倉庫、駐車場などとして利用できる状態(利用上の独立性)にあれば、法律上、区分所有権の対象(専有部分)とすることができる。(区分所有法1条参照)
- 住居・店舗・事務所・倉庫・駐車場など
要件を満たしていれば、用途を問わず区分所有権の対象になる。 - 白線で区切られただけの青空駐車場
壁などの遮断物がないため「構造上の独立性」を欠き、単独で区分所有権の対象(専有部分)にはできない。
3 誤り。
建物が建っている土地が、借地であっても、区分所有者は全員で当然に管理団体(管理組合)を構成する。(区分所有法3条参照)
(区分所有者の団体)
第3条 区分所有者は、全員で、建物並びにその敷地及び附属施設の管理を行うための団体を構成し、この法律の定めるところにより、集会を開き、規約を定め、及び管理者を置くことができる。一部の区分所有者のみの共用に供されるべきことが明らかな共用部分(以下「一部共用部分」という。)をそれらの区分所有者が管理するときも、同様とする。
(区分所有法・e-GOV法令検索)
4 正しい。
敷地利用権とは、区分所有者が専有部分を所有するために、その建物の敷地(土地)に対して持っている権利のことである。
この権利は、「所有権」だけでなく、「地上権」や「賃借権」、さらには「使用借権」であっても、専有部分を所有するための正当な権原となるものであれば、すべて敷地利用権に含まれる。
- 所有権
自分たちの土地(最も一般的) - 地上権・賃借権
地代を払って借りている土地(借地マンションなど) - 使用借権
無償で借りている土地(親の土地に子がマンションを建てたような特殊なケースなど)
(定義)
第2条(略)
6 この法律において「敷地利用権」とは、専有部分を所有するための建物の敷地に関する権利をいう。
(区分所有法・e-GOV法令検索)
(解法のポイント)
肢1は初見なら戸惑うが、正解は導き出しやすかったのではないだろうか。


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