今回のテーマは、「屋上防水」である。
令和7年度 マンション管理士試験
〔問 37〕 屋上防水に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。
1 建築物の屋根のうち、1/100 程度の勾配による平らな屋根を陸屋根と呼び、大きな勾配がある屋根を勾配屋根と呼ぶ。
2 メンブレン防水は、連続した防水層を構成することで雨水の侵入を防ぐ工法である。
3 露出アスファルト防水は、液状の防水材料を塗り重ね、表面にトップコートを塗る防水工法で、バルコニーや廊下の床などによく用いられる。
4 シート防水は、防水性を有するシートを接着剤などで貼り合わせてつくられる防水工法で、ゴム系と塩ビ系がある。
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正解は 3 です。
【前提知識】
屋上防水
1 正しい。
- 陸屋根
- 特徴
屋上として歩行・利用できるフラットな屋根である。 - 勾配
完全な水平ではなく、雨水を排水溝へ導くために 1/50 〜 1/100 程度 の極小の傾斜(水勾配)が設けられている。 - 防水
水が溜まりやすいため、シート防水や塗膜防水などの確実な防水処理が不可欠である。
- 特徴
- 勾配屋根
- 特徴
切妻(きりづま)や寄棟(よせむね)など、明確な傾斜を持たせた屋根の総称である。 - 勾配
一般的に 3/10(3寸勾配)以上の傾斜が多く、雨水や雪を自然に落下・流下させる性能に優れている。
- 特徴
2 正しい。
メンブレン防水(Membrane Waterproofing)とは
- 概念
「メンブレン(膜・皮膜)」の言葉どおり、屋根や屋上などの下地表面に隙間のない連続した1枚の防水被膜(防水層)を形成し、水の侵入を遮断する工法の総称である。 - 代表的な工法:
- 塗膜防水
ウレタンやアクリルなどの液体状の防水材を塗り重ねて一体化させる工法。 - シート防水
塩化ビニルや合成ゴムなどの防水シートを敷き込み、接合部を溶着・接着して連続層を作る工法。 - アスファルト防水
アスファルトとルーフィング(防水シート)を積層して強固な防水層を作る工法。
- 塗膜防水
特徴と利点
- 繋ぎ目(継ぎ目)のない一体化した膜を作ることができるため、信頼性が高く、陸屋根(平らな屋根)やベランダ・バルコニーの防水処理として広く用いられる。
3 誤り。
本肢の内容は「露出アスファルト防水」ではなく、「塗膜防水」 である。
露出アスファルト防水とは
- アスファルトを含浸させたシート(ルーフィング)を何層も積層して強固な防水層を作る工法のうち、表面に保護タイルの敷設やコンクリート打ちを行わず、アスファルト層を露出させた仕上げ(最上層に専用塗料や鉱物粒子付きシートを使用)にすることを指す。
- 主に人が歩行しない大型ビルやマンションの屋上などで用いられる。
4 正しい。
シート防水とは
- 工場で品質管理された合成ゴムや塩化ビニル(塩ビ)で作られた防水シートを、下地に接着剤などで貼り付けたり、機械で固定したりして防水層を作る工法である。
- シート同士のつなぎ目は、接着剤や熱溶着・溶剤溶着で隙間なく接合して連続した防水膜を構成する。
主な 2 つの種類
- ゴム系シート防水
- 特徴
伸縮性・耐候性に優れ、温度変化による下地の動きにしなやかに追従する。 - 工法
主に専用の接着剤で下地に貼り付ける工法が用いられる。
- 特徴
- 塩ビ系シート防水
- 特徴
摩耗や紫外線、鳥害に強く、シート同士を熱や溶剤で隙間なく一体化(溶着)できるため、施工性が高いのが特徴である。 - 工法
接着工法のほか、下地にディスク固定する「機械的固定工法」も広く採用される。
- 特徴
(解法のポイント)
「液状を塗る+トップコート+バルコニー・廊下」 = 塗膜防水
「シートを重ね貼り+屋上」 = アスファルト防水 または シート防水



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