今回のテーマは、「標準管理規約(団地型・複合用途型)」である。
それでは、「マンション管理士試験」で出題された過去問にチャレンジしてみよう。
令和4年度 マンション管理士試験 〔問33〕
〔問 33〕 総会決議と管理費等に関する次の記述のうち、「マンション標準管理規約(団地型)及びマンション標準管理規約(団地型)コメント」及び「マンション標準管理規約(複合用途型)及びマンション標準管理規約(複合用途型)コメント」(最終改正令和3年6月22 日国住マ第33 号)によれば、適切でないものはどれか。
1 1、2階が店舗、3階以上が住宅の複合用途型マンションの住宅だけに設置されているバルコニーの床の防水工事を計画修繕として行う場合には、総会で決議し、その費用は全体修繕積立金を充当する。
2 団地型マンションにおいて、一つの棟の耐震性能が低いため耐震改修工事をすることは、当該棟の共用部分の変更ではあるが、団地総会で決議し、その費用は当該棟の修繕積立金を充当する。
3 1、2階が店舗、3階以上が住宅の複合用途型マンションで、店舗の外壁はタイル張り、住宅の外壁はモルタル仕様である場合において、計画修繕として外壁の改修工事を行うときは、店舗部会及び住宅部会でそれぞれの決議をした上で総会で決議し、その費用は店舗一部修繕積立金及び住宅一部修繕積立金を充当する。
4 団地型マンションにおいて、マンション管理適正化法第5条の3第1項に基づく管理計画の認定の申請を行う場合には、各棟ごとの決議を経る必要はなく、団地総会で決議し、その費用は管理費を充当する。
令和4年度 マンション管理士試験
正解:3
それでは、問題を検討していこう。
なお、問題は、2022年4月1日現在の法令等に基づいて出願されているが、正解及び解説は、執筆時点の法令等に基づくものとする。
1 正しい。
管理組合は、各区分所有者が納入する全体修繕積立金を積み立てるものとし、積み立てた全体修繕積立金は、一定年数の経過ごとに計画的に行う修繕に充当する場合に取り崩すことができる。
(標準管理規約複合用途型30条1項1号)
2 正しい。
団地型マンションにおいて、一つの棟の耐震性能が低いため耐震改修工事をすることは、当該棟の共用部分の変更ではあるが、団地総会で決議し、その費用は当該棟の修繕積立金を充当する。
(標準管理規約団地型29条1項3号、50条10号)
3 誤り。
住宅部会及び店舗部会は管理組合としての意思を決定する機関ではないが、それぞれ住宅部分、店舗部分の一部共用部分の管理等について協議する組織として位置づけるものである。(標準管理規約複合用途型60条関係コメント①)
したがって、店舗部会及び住宅部会でそれぞれの決議は不要である。
住宅一部修繕積立金は住宅一部共用部分の、店舗一部修繕積立金は店舗一部共用部分の、一定年数の経過ごとに計画的に行う修繕場合に取り崩すことができる。(標準管理規約複合用途型31条2項1号)
4 正しい。
団地型において、適正化法第5条の3第1項に基づく管理計画の認定の申請を行う場合には団地総会の決議を経なければならない。(標準管理規約団地型50条8号)
そして、管理計画の認定の申請を行う費用は、管理費を充当する。
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