マンション管理士の過去問を解こう(令和3年度)「電磁的方法による決議」

マンション管理士

本稿では、「建物の区分所有等に関する法律」を「区分所有法」という。

今回のテーマは、「電磁的方法による決議」である。

それでは、「マンション管理士試験」で出題された過去問にチャレンジしてみよう。

令和3年度 マンション管理士試験 〔問7〕

〔問 7〕 電磁的方法(電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であって法務省令で定めるものをいう。この問いにおいて同じ。)による議決権行使又は決議に関する次の記述のうち、区分所有法の規定によれば、誤っているものはどれか。

1 区分所有者は、規約又は集会の決議により、集会の議事について書面による議決権の行使に代えて、電磁的方法によって議決権を行使することができる。
2 区分所有者全員の承諾を得て電磁的方法による決議をした場合に、その決議は、集会の決議と同一の効力を有する。
3 電磁的方法による決議をする場合には、電磁的方法による回答の期日とされている日より少なくとも3週間前までに、会議の目的たる事項を示して各区分所有者に通知を発しなければならない。
4 区分所有者全員の電磁的方法による合意があったときは、電磁的方法による決議があったものとみなされ、その決議は、集会の決議と同一の効力を有する。

令和3年度 マンション管理士試験

正解:3

それでは、各肢を検討していこう。

なお、問題は、2021年4月1日現在の法令等に基づいて出願されているが、正解及び解説は、執筆時点の法令等に基づくものとする。

1 正しい。

区分所有者は、規約又は集会の決議により、集会の議事について書面による議決権の行使に代えて、電磁的方法(電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であつて法務省令で定めるものをいう。)によって議決権を行使することができる。(区分所有法39条3項)

2 正しい。

区分所有法又は規約により集会において決議をすべき場合において、区分所有者全員の承諾があるときは、書面又は電磁的方法による決議をすることができる。(区分所有法45条1項本文)

そして、区分所有法又は規約により集会において決議すべきものとされた事項についての書面又は電磁的方法による決議は、集会の決議と同一の効力を有する。(同3項)

3 誤り。

集会に関する規定は、書面又は電磁的方法による決議について準用する。(区分所有法45条5項)

そして、集会の招集の通知は、会日より少なくとも1週間前に、会議の目的たる事項を示して、各区分所有者に発しなければならない。(区分所有法35条1項本文)

したがって、3週間前ではない。

4 正しい。

区分所有法又は規約により集会において決議すべきものとされた事項については、区分所有者全員の書面又は電磁的方法による合意があつたときは、書面又は電磁的方法による決議があつたものとみなす
(区分所有法45条2項)

そして、区分所有法又は規約により集会において決議すべきものとされた事項についての書面又は電磁的方法による決議は、集会の決議と同一の効力を有する。(同3項)

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