「マンションの建替え等の円滑化に関する法律」を「建替え等円滑化法」という。
今回のテーマは、「建替え等円滑化法」である。
それでは、「マンション管理士試験」で出題された過去問にチャレンジしてみよう。
令和3年度 マンション管理士試験 〔問19〕
〔問 19〕 マンション建替組合(この問いにおいて「組合」という。)が施行するマンション建替事業に関する次の記述のうち、マンションの建替え等の円滑化に関する法律(平成14 年法律第78 号)の規定によれば、誤っているものはどれか。
1 組合において、権利変換計画について総会の議決があったときは、組合は、当該議決があった日から2月以内に、当該議決に賛成しなかった組合員に対し、区分所有権及び敷地利用権を時価で売り渡すべきことを請求することができる。
2 組合は、権利変換期日後遅滞なく、施行再建マンションの敷地(保留敷地を含む。)につき、権利変換後の土地に関する権利について必要な登記を申請しなければならない。
3 組合は、権利変換計画の認可を申請しようとするときは、権利変換計画について、あらかじめ、総会の議決を経るとともに施行マンション又はその敷地について権利を有する者(組合員を除く。)及び隣接施行敷地がある場合における当該隣接施行敷地について権利を有する者の同意を得なければならない。
4 組合は、権利変換計画に基づき補償金を支払う必要がある者に対して、当該補償金を支払わなければならない。
令和3年度 マンション管理士試験
正解:4
それでは、各肢を検討していこう。
なお、問題は、2021年4月1日現在の法令等に基づいて出願されているが、正解及び解説は、執筆時点の法令等に基づくものとする。
1 正しい。
組合において、権利変換計画について総会の議決があったときは、組合は、当該議決があった日から2か月以内に、当該議決に賛成しなかった組合員に対し、区分所有権及び敷地利用権を時価で売り渡すべきことを請求することができる。(建替え等円滑化法64条1項)
2 正しい。
施行者は、権利変換期日後遅滞なく、施行再建マンションの敷地(保留敷地を含む。)につき、権利変換後の土地に関する権利について必要な登記を申請しなければならない。(74条1項)
3 正しい。
施行者は、権利変換計画の認可を申請しようとするときは、権利変換計画について、あらかじめ、組合にあっては総会の議決を経るとともに施行マンション又はその敷地について権利を有する者(組合員を除く。)及び隣接施行敷地がある場合における当該隣接施行敷地について権利を有する者の同意を得、個人施行者にあっては施行マンション又はその敷地(隣接施行敷地を含む。)について権利を有する者の同意を得なければならない。(57条2項本文)
4 誤り。
施行者は、次の①や②に掲げる者に対し、その補償として、権利変換期日までに、一定の基準によって算定した補償金を支払わなければならない。(75条)
① 施行マンションに関する権利又はその敷地利用権を有する者で、この法律の規定により、権利変換期日において当該権利を失い、かつ、当該権利に対応して、施行再建マンションに関する権利又はその敷地利用権を与えられないもの
② 隣接施行敷地の所有権又は借地権を有する者で、この法律の規定により、権利変換期日において当該権利を失い、又は当該権利の上に敷地利用権が設定されることとなるもの
したがって、「権利変換期日後遅滞なく」ではなく、「権利変換期日までに」となる。
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