管理業務主任者の過去問を解こう(令和3年度 )「総会決議」

管理業務主任者

今回のテーマは、「標準管理規約(総会決議)」である。

それでは、「令和3年度 管理業務主任者試験」で出題された過去問にチャレンジしてみよう。

令和3年度 管理業務主任者試験問題 【問 36】

【問36】総住戸数96(この中には、1人で2住戸を所有する区分所有者が6人おり、それ以外に2人で1住戸を共有する住戸が3つ含まれる。)の甲マンションにおける総会に関する次のア~エの記述のうち、標準管理規約(単棟型)によれば、不適切なものはいくつあるか。ただし、議決権については1住戸1議決権の定めがあるものとする。

ア 総会開催のための招集通知書は、最低93部が必要である。
イ 総会の会議は、出席する組合員の議決権数の合計が49以上でなければ成立しない。
ウ 理事長に対し会議の目的を示して総会の招集を請求するためには、組合員数18以上及び議決権数20以上の同意が必要である。
エ 総会で規約変更の決議をするためには、組合員数68以上及び議決権数72以上の賛成が必要である。
1 一つ
2 二つ
3 三つ
4 四つ

令和3年度 管理業務主任者試験

それでは、設問を検討していこう。

本問における「組合員総数」と「議決権」は以下の通りである。

組合員総数
1人で複数の住戸を所有する者は1人と数える→2住戸を所有する組合員6人について、組合員数はとなる。
1戸が共有に属する場合、共有者を合わせて1人と数える→2人で1住戸を共有に属する3住戸についての組合員数はとなる
1人の組合員が単独で所有→96-12(2住戸を所有する組合員6人)ー3(2人で1住戸を共有に属する3住戸の組合員数は3)=81

甲マンションの組合員総数は、6+3+81=90となる。

議決権)設問により1住戸1議決権の定めがあるので96となる。

ア 誤り。

総会を招集するには、少なくとも会議を開く日の2週間前(会議の目的が建替え決議又はマンション敷地売却決議であるときは2か月前)までに、会議の日時、場所(WEB会議システム等を用いて会議を開催するときは、その開催方法)及び目的を示して、組合員に通知を発しなければならない。(標準管理規約43条1項)

本問において、組合員総数は90なので、最低90部必要である。

イ 誤り。

総会の会議(WEB会議システム等を用いて開催する会議を含む。)は、議決権総数の半数以上を有する組合員が出席しなければならない。(47条1項)

本問の議決権総数は96なので、その半数である48以上の議決権を有する組合員が出席しなければならない。

ウ 正しい。

組合員が組合員総数5分の1以上及び議決権総数5分の1以上に当たる組合員の同意を得て、会議の目的を示して総会の招集を請求した場合には、理事長は、2週間以内にその請求があった日から4週間以内の日(会議の目的が建替え決議又はマンション敷地売却決議であるときは、2か月と2週間以内の日)を会日とする臨時総会の招集の通知を発しなければならない。(44条1項)

本問の組合員総数は90なので、その5分の1は18である。
また、本問の議決権総数は96なので、その5分の1は19.2(端数切り上げで20)である。

したがって、理事長に対し会議の目的を示して総会の招集を請求するためには、組合員数18以上及び議決権数20以上の同意が必要である。

エ 正しい。

規約の制定、変更又は廃止の決議をするためには、、組合員総数の4分の3以上及び議決権総数の4分の3以上の賛成が必要である。(47条3項1号)

本問の組合員総数は90なので、その4分の3は67.5(端数切り上げで68)である。
また、本問の議決権総数は96なので、その4分の3は72である。

したがって、総会で規約変更の決議をするためには、組合員数68以上及び議決権数72以上の賛成が必要である。

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