今回のテーマは、「団地」である。
それでは、「マンション管理士試験」で出題された過去問にチャレンジしてみよう。
令和5年度 マンション管理士試験 〔問10〕
〔問 10〕 団地内に専有部分のある建物であるA棟及びB棟があり、団地の敷地は団地建物所有者の共有に属し、その共有者全員で構成する団地管理組合において、規約が定められている。この場合に関する次の記述のうち、区分所有法の規定によれば、誤っているものはどれか。
1 A棟及びB棟が所在する土地は、当然にA棟及びB棟の団地建物所有者によって構成される団地管理組合における団地共用部分となる。
2 A棟及びB棟の団地建物所有者によって構成される団地管理組合がA棟及びB棟の管理を行うものとする場合において、A棟の管理とB棟の管理について、規約で異なる内容を定めることができる。
3 団地内建物の一括建替え決議を行おうとする場合、団地建物所有者の集会において、団地内建物の区分所有者及び議決権の各5分の4以上の多数の賛成を得るとともに、A棟及びB棟ごとに区分所有者の3分の2以上の者であって議決権の合計の3分の2以上の議決権を有するものが賛成することが必要である。
4 団地内建物の一括建替え決議を行おうとする場合、再建団地内建物の区分所有権の帰属に関する事項についても、議案として決議しなければならない。
令和5年度 マンション管理士試験
正解:1
それでは、問題を検討していこう。
なお、問題は、2023年4月1日現在の法令等に基づいて出願されているが、正解及び解説は、執筆時点の法令等に基づいて執筆する。
また、「建物の区分所有等に関する法律」を「区分所有法」という
1 誤り。
一団地内の附属施設たる建物(建物の部分を含む。)は、規約により団地共用部分とすることができる。
(区分所有法67条1項)
一方、一団地内に数棟の建物があつて、その団地内の土地又は附属施設(これらに関する権利を含む。)がそれらの建物の所有者(専有部分のある建物にあつては、区分所有者)の共有に属する場合には、それらの所有者(団地建物所有者)は、全員で、その団地内の土地、附属施設及び専有部分のある建物の管理を行うための団体を構成し、区分所有法の定めるところにより、集会を開き、規約を定め、及び管理者を置くことができる。(65条)
したがって、A棟及びB棟が所在する土地は、団地管理組合の管理の対象になるが、団地共用部分となならない。
2 正しい。
A棟及びB棟の団地建物所有者によって構成される団地管理組合がA棟及びB棟の管理を行うものとする場合において、A棟の管理とB棟の管理について、規約で異なる内容を定めることができる。
なお、A棟とB棟、それぞれ集会における区分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数による決議があることを要する。(68条1項2号)
3 正しい。
団地内建物の一括建替え決議を行おうとする場合、団地建物所有者の集会において、団地内建物の区分所有者及び議決権の各5分の4以上の多数の賛成を得るとともに、A棟及びB棟ごとに区分所有者の3分の2以上の者であって議決権の合計の3分の2以上の議決権を有するものが賛成することが必要である。(区分所有法70条1項)
4 正しい。
団地内建物の一括建替え決議を行おうとする場合、再建団地内建物の区分所有権の帰属に関する事項についても、議案として決議しなければならない。(区分所有法70条3項5号)
(解法のポイント)肢1が要注意である。その他の肢は頻出論点である。しっかりと復習しておこう。
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