今回のテーマは、「標準管理委託契約書」である。
それでは、「令和6年度 管理業務主任者試験」で出題された過去問にチャレンジしてみよう。
なお、「マンションの管理の適正化の推進に関する法律」を「適正化法」という。
令和6年度 管理業務主任者試験問題 【問 4】
【問 4】 次の記述のうち、標準管理委託契約書によれば、最も適切なものはどれか。
1 マンション管理業者が管理事務の一部を第三者に再委託した場合は、再委託した管理事務の適正な処理について、当該マンション管理業者は、管理組合に対して責任を負わない。
2 管理組合は、マンション管理業者に管理事務を行わせるために管理事務室を使用させる場合は、有償で使用させるものとする。
3 マンション管理業者が行う管理事務の内容として、事務管理業務、管理員業務、清掃業務、建物・設備等管理業務及び警備業法に定める警備業務がある。
4 マンション管理業者は、あらかじめ、管理組合の承諾を得た場合は、管理事務の処理状況及び管理組合の会計の収支状況に係る管理組合に対する報告を、WEB会議システムにより行うことができる。
令和6年度 管理業務主任者試験
正解:4
それでは、各肢を検討していこう。
1 誤り。
マンション管理業者が管理事務を第三者に再委託した場合においては、マンション管理業者は、再委託した管理事務の適正な処理について、管理組合に対して、責任を負う。(標準管理委託契約書4条2項)
2 誤り。
管理組合は、マンション管理業者に管理事務を行わせるために不可欠な管理員室、管理用倉庫、清掃員控室、器具、備品等(管理員室等)を無償で使用させるものとする。(標準管理委託契約書7条1項)
3 誤り。
標準管理委託契約書では、管理組合が適正化法第2条第6号に定める管理事務を管理業者に委託する場合を想定しているため、適正化法第三章に定めるマンション管理計画認定制度及び民間団体が行う評価制度等に係る業務並びに警備業法に定める警備業務及び消防法に定める防火管理者が行う業務は、管理事務に含まれない。そのため、これらの業務に係る委託契約については、本契約と別個の契約にすることが望ましい。(標準管理委託契約書全般関係コメント③)
管理事務
マンションの管理に関する事務であって、基幹事務(管理組合の会計の収入及び支出の調定及び出納並びにマンション(専有部分を除く。)の維持又は修繕に関する企画又は実施の調整をいう。)を含むものをいう。(適正化法2条6号)
4 正しい。
マンション管理業者は、管理組合の承諾を得た場合は、第10条第1項及び第3項に規定する報告その他の報告をWEB会議システム等(電気通信回線を介して、即時性及び双方向性を備えた映像及び音声の通信を行うことができる会議システム等)により行うことができる。
(標準管理委託契約書25条2項)
(管理事務の報告等)
第10 条
マンション管理業者は、管理組合の事業年度終了後○月以内に、甲に対し、当該年度における管理事務の処理状況及び管理組合の会計の収支の結果を記載した書面を交付し、管理業務主任者をして、報告をさせなければならない。
(略)
3 マンション管理業者は、管理組合から請求があるときは、管理事務の処理状況及び甲の会計の収支状況について報告を行わなければならない。
(マンション標準管理委託契約書)
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