マンション管理士の過去問を解こう(令和3年度)「規約」

マンション管理士

本稿では、「建物の区分所有等に関する法律」を「区分所有法」という。

今回のテーマは、「規約」である。

それでは、「マンション管理士試験」で出題された過去問にチャレンジしてみよう。

令和3年度 マンション管理士試験 〔問6〕

〔問 6〕 区分所有法の規定によれば、規約に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

1 建物の管理又は使用に関する区分所有者相互間の事項を規約で定めることができるのは、専有部分以外の建物の部分、専有部分に属しない建物の附属物及び共用部分とされた附属の建物の管理又は使用に関する事項に限られる。
2 規約は、書面又は電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものとして法務省令で定めるものをいう。)により、これを作成しなければならない。
3 最初に建物の専有部分の全部を所有する者は、公正証書により、構造上一部の区分所有者の共用に供されるべき建物の部分を専有部分とする旨の規約を設定することができる。
4 管理者がいる場合、規約に定めることにより、管理者が指名した者を規約の保管者とすることができる。

令和3年度 マンション管理士試験

正解:2

それでは、各肢を検討していこう。

なお、問題は、2021年4月1日現在の法令等に基づいて出願されているが、正解及び解説は、執筆時点の法令等に基づくものとする。

1 誤り。

建物又はその敷地若しくは附属施設の管理又は使用に関する区分所有者相互間の事項は、区分所有法に定めるもののほか、規約で定めることができる。(区分所有法30条1項)

そして、規約で定めることができるのは、専有部分以外の建物の部分、専有部分に属しない建物の附属物及び共用部分とされた附属の建物の管理又は使用に関する事項に限られない

したがって、「専有部分」についても規約で定めることができる

2 正しい。

規約は、書面又は電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によつては認識することができない方式で作られる記録であつて、電子計算機による情報処理の用に供されるものとして法務省令で定めるものをいう。)により、これを作成しなければならない。(区分所有法30条5項)

3 誤り。

最初に建物の専有部分の全部を所有する者は、公正証書により、規約を設定することができる。
(区分所有法32条)

しかし、構造上一部の区分所有者の共用に供されるべき建物の部分は、区分所有権の目的(専有部分)にならない。(区分所有法2条3項、4条1項)

したがって、公正証書によっても、構造上一部の区分所有者の共用に供されるべき建物の部分を専有部分とする旨の規約を設定することはできない

4 誤り。

規約は、管理者が保管しなければならない。ただし、管理者がないときは、建物を使用している区分所有者又はその代理人で規約又は集会の決議で定めるものが保管しなければならない。(区分所有法33条1項)

したがって、管理者がいる場合、規約は、管理者が保管しなければならない

コメント

タイトルとURLをコピーしました