今回のテーマは、「管理規約の改正(標準管理規約)」である。
それでは、「マンション管理士試験」で出題された過去問にチャレンジしてみよう。
令和5年度 マンション管理士試験 〔問32〕
〔問 32〕 管理組合において、次のことを行うために管理規約の改正が必要なものはどれか。ただし、現行の管理規約は、標準管理規約と同様であるものとする。
1 総会提出議案の役員候補として立候補しようとする組合員は、理事会決議で決められた所定の期間内に届け出なければならないとすること。
2 理事の立候補の届出がない場合に、輪番制で理事の候補者を選任するとすること。
3 総会の議長は、出席組合員の中から選任するとすること。
4 役員選任は、役員全員を一括で選任する一括審議ではなく、それぞれの役員について個別に選任する個別信任方式とすること。
令和5年度 マンション管理士試験
正解:3
それでは、問題を検討していこう。
なお、問題は、2023年4月1日現在の法令等に基づいて出願されているが、正解及び解説は、執筆時点の法令等に基づいて執筆する。
1 不要
標準管理規約には、「総会提出議案の役員候補として立候補しようとする組合員は、理事会決議で決められた所定の期間内に届け出なければならないとする」という規定はない。
したがって、当該内容を行うためには、別に細則を定めればよい。(標準管理規約70条)
総会及び理事会の運営、会計処理、管理組合への届出事項等については、別に細則を定めることができる。(標準管理規約70条)
2 不要
標準管理規約には、「理事の立候補の届出がない場合に、輪番制で理事の候補者を選任するとする」という規定はない。
したがって、当該内容を行うためには、別に細則を定めればよい。(標準管理規約70条)
3 必要
「総会の議長は、理事長が務める。」(標準管理規約42条5項)が、総会において、議長を選任する旨の定めをすることもできる。(標準管理規約第42条関係(第5項関係))
したがって、「総会の議長は、出席組合員の中から選任するとする」には、管理規約の改正が必要である。
4 不要
標準管理規約には、「役員選任は、役員全員を一括で選任する一括審議ではなく、それぞれの役員について個別に選任する個別信任方式とする」という規定はない。
したがって、当該内容を行うためには、別に細則を定めればよい。(標準管理規約70条)
(解法のポイント)管理規約の改正からの出題であるが、標準管理規約の「総会の議長は理事長が務める」という知識がしっかりと押さえてあれば、容易に解答できるだろう。
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