管理業務主任者の過去問を解こう(令和5年度)「長期修繕計画作成ガイドライン(2)」

マンション管理 管理業務主任者

今回のテーマは、「長期修繕計画作成ガイドライン」である。

それでは、「令和5年度 管理業務主任者試験」で出題された過去問にチャレンジしてみよう。

令和5年度 管理業務主任者試験問題 【問 22】

【問 22】 長期修繕計画作成ガイドラインに関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1  修繕積立金は、不測の事故や自然災害(台風、大雨、大雪等)による被害の復旧など、特別な事由による修繕工事に要する経費に充当する場合に取り崩すことができる。
2  修繕積立金は、マンションの建替えを目的とした調査等に要する経費に充当する場合に取り崩すことができる。
3  修繕積立基金又は一時金の負担がある場合は、これらを修繕積立金会計とは区分して管理する。
4  長期修繕計画の作成に要する経費は、管理組合の財産状態等に応じて管理費又は修繕積立金のどちらからでも充当することができる。

令和5年度 管理業務主任者試験問題

正解:3

それでは、問題を検討していこう。
なお、問題は、2023年4月1日現在の法令等に基づいて出願されているが、正解及び解説は、執筆時点の法令等に基づいて執筆する。

1 正しい。

修繕積立金は、不測の事故や自然災害(台風、大雨、大雪等)による被害の復旧など、特別な事由による修繕工事に要する経費に充当する場合に取り崩すことができる。

修繕積立金の使途は、標準管理規約第28条に定められた事項に要する経費に充当する場合に限る。(長期修繕計画作成ガイドライン第2章1節3二④)

修繕積立金
第28条 管理組合は、各区分所有者が納入する修繕積立金を積み立てるものとし、積み立てた修繕積立金は、次の各号に掲げる特別の管理に要する経費に充当する場合に限って取り崩すことができる。
1 一定年数の経過ごとに計画的に行う修繕
2 不測の事故その他特別の事由により必要となる修繕
3 敷地及び共用部分等の変更
4 建物の建替え及びマンション敷地売却(以下「建替え等」という。)に係る合意形成に必要となる事項の調査
5 その他敷地及び共用部分等の管理に関し、区分所有者全体の利益のために特別に必要となる管理
(略)
標準管理規約

2 正しい。

修繕積立金は、マンションの建替えを目的とした調査等に要する経費に充当する場合に取り崩すことができる。

肢1の解説参照

3 誤り。

修繕積立基金又は一時金の負担がある場合は、これらを修繕積立金会計で管理する。

分譲会社が分譲時において将来の計画修繕に要する経費に充当していくため、一括して購入者より修繕積立基金として徴収している場合や、修繕時に、既存の修繕積立金の額が修繕費用に不足すること等から、一時負担金が区分所有者から徴収される場合があるが、これらについても修繕積立金として積み立てられ、区分経理されるべきものである。(標準管理規約コメント28条関係)

修繕積立金(修繕積立基金を含む。)を適切に管理及び運用する。
(長期修繕計画作成ガイドライン第2章1節3二③)

4 正しい。

長期修繕計画の作成に要する経費は、管理組合の財産状態等に応じて管理費又は修繕積立金のどちらからでも充当することができる。

建替え等に係る調査に必要な経費の支出は、各マンションの実態に応じて、管理費から支出する旨管理規約に規定することもできる。(標準管理規約コメント28条関係)

解法のポイント)長期修繕計画作成ガイドラインからの出題であるが、標準管理規約の理解が不可欠となっている。

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