管理業務主任者の過去問を解こう(令和5年度)「マンションの劣化等調査」

管理業務主任者

今回のテーマは、「鉄筋コンクリート造のマンションの劣化等調査方法」である。

それでは、「令和5年度 管理業務主任者試験」で出題された過去問にチャレンジしてみよう。

令和5年度 管理業務主任者試験問題 【問 16】

【問 16】 鉄筋コンクリート造のマンションの劣化等調査方法に関する次の記述のうち、「コンクリートのひび割れ調査,補修・補強指針2022」(公益社団法人 日本コンクリート工学会)によれば、最も不適切なものはどれか。

1  クラックスケールにより、コンクリートのひび割れ幅を測定した。
2  反発度法により、コンクリートの圧縮強度を推定した。
3  電磁誘導法により、コンクリートの塩化物イオン濃度を推定した。
4  赤外線サーモグラフィにより、外壁のタイルの浮きを探査した。

令和5年度 管理業務主任者試験問題

正解:3

それでは、各肢を検討していこう。
なお、問題は、2023年4月1日現在の法令等に基づいて出願されているが、正解及び解説は、執筆時点の法令等に基づいて執筆する。

1 正しい。

コンクリートのひび割れの幅は、クラックスケールで測定する。

2 正しい。

コンクリート強度の診断には、破壊検査と非破壊検査による方法がある。このうち、非破壊検査には、硬化コンクリートの表面をシュミットハンマーで打撃したときの反発度から、コンクリートの圧縮強度を推定する反発度法がある。

3 誤り。

電磁誘導法は、試験コイルに交流電流を流すことによってできる磁界内に、試験対象物を配置する事によって試験を行う。鉄筋は、軟鋼材であるので電磁誘導試験が可能である。
コンクリート構造物の鉄筋位置やかぶり測定ができる。

なお、コンクリート中の塩分は、鉄筋の腐食を促進させる。塩分量の診断は、コア抜きしたコンクリートを試験場に持ち込み、塩化物含有量測定器を用いて、塩化物イオンの量を測定して行う。

4 正しい。

赤外線サーモグラフィは、対象物から出ている赤外線放射エネルギーを検出し、見かけの温度に変換して、温度分布を画像表示する装置あるいはその方法のことをいう。
タイル面の浮き等の程度を調査する。周辺よりも高温部分が浮きがある部分と推定される。

(解法のポイント)問題文に「コンクリートのひび割れ調査、補修・補強指針2022」によればとあるが、驚くことはない。試験的には業界標準の方法でという意味に過ぎない。
ちなみに、この書籍は、公益社団法人日本コンクリート工学会から発売されている。この業界関係の方以外は目にすることはほとんどないだろう。

問題に出てくる方法等は、標準的なテキストには記載がある。本問でしっかり復習しておこう。

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