マンション管理士の過去問を解こう(令和7年度)「建物取壊し決議(被災区分所有法)」

マンション管理士

今回のテーマは、「建物取壊し決議(被災区分所有法)」である。

それでは、「令和7年度 マンション管理士試験」の過去問にチャレンジしてみよう。
なお、「被災区分所有建物の再建等に関する特別措置法」を「被災区分所有法」という。
また、「建物の区分所有等に関する法律」を「区分所有法」という。

令和7年度 マンション管理士試験 問11

〔問 11〕 大規模な火災、震災その他の災害で政令で定めるものにより、その一部が滅失(区分所有法第 61 条第1項本文に規定する場合(小規模滅失)を除く。)した区分所有建物を取り壊す旨の区分所有者集会における決議(この問いにおいて「建物取壊し決議」という。)に関する次の記述のうち、被災区分所有法の規定によれば、誤っているものはどれか。

1 区分所有者集会を招集するための通知と説明会を開催するための通知を一括して発出することができる。
2 区分所有者集会の招集通知においては、復旧又は建替えをしない理由、復旧に要する費用の概算額、及び、建替えに要する費用の概算額を通知しなければならない。
3 区分所有者集会における建物取壊し決議において、建物の取壊しに要する費用の分担については、各区分所有者の衡平を害しないように定めなければならない。
4 区分所有者集会において建物取壊し決議に賛成した区分所有者については、当該決議の内容により取壊しを行う旨の合意をしたものとみなされる。

令和7年度 マンション管理士試験

正解:2

それでは、各肢を検討していこう。

1 正しい。

区分所有者集会を招集するための通知と説明会を開催するための通知を一括して発出することができる。別々に発出しなければならない規定はない。
(被災区分所有法11条3項)

(区分所有権等の売渡し請求等)
第六十三条 建替え決議があつたときは、集会を招集した者は、遅滞なく、建替え決議に賛成しなかつた区分所有者(その承継人を含む。)に対し、建替え決議の内容により建替えに参加するか否かを回答すべき旨を書面で催告しなければならない。
2 集会を招集した者は、前項の規定による書面による催告に代えて、法務省令で定めるところにより、同項に規定する区分所有者の承諾を得て、電磁的方法により建替え決議の内容により建替えに参加するか否かを回答すべき旨を催告することができる。この場合において、当該集会を招集した者は、当該書面による催告をしたものとみなす。
3 第一項に規定する区分所有者は、同項の規定による催告を受けた日から二月以内に回答しなければならない。
4 前項の期間内に回答しなかつた第一項に規定する区分所有者は、建替えに参加しない旨を回答したものとみなす。
5 第三項の期間が経過したときは、建替え決議に賛成した各区分所有者若しくは建替え決議の内容により建替えに参加する旨を回答した各区分所有者(これらの者の承継人を含む。)又はこれらの者の全員の合意により区分所有権及び敷地利用権を買い受けることができる者として指定された者(以下「買受指定者」という。)は、同項の期間の満了の日から二月以内に、建替えに参加しない旨を回答した区分所有者(その承継人を含む。)に対し、区分所有権及び敷地利用権を時価で売り渡すべきことを請求することができる。建替え決議があつた後にこの区分所有者から敷地利用権のみを取得した者(その承継人を含む。)の敷地利用権についても、同様とする。
6 前項の規定による請求があつた場合において、建替えに参加しない旨を回答した区分所有者が建物の明渡しによりその生活上著しい困難を生ずるおそれがあり、かつ、建替え決議の遂行に甚だしい影響を及ぼさないものと認めるべき顕著な事由があるときは、裁判所は、その者の請求により、代金の支払又は提供の日から一年を超えない範囲内において、建物の明渡しにつき相当の期限を許与することができる。
7 建替え決議の日から二年以内に建物の取壊しの工事に着手しない場合には、第五項の規定により区分所有権又は敷地利用権を売り渡した者は、この期間の満了の日から六月以内に、買主が支払つた代金に相当する金銭をその区分所有権又は敷地利用権を現在有する者に提供して、これらの権利を売り渡すべきことを請求することができる。ただし、建物の取壊しの工事に着手しなかつたことにつき正当な理由があるときは、この限りでない。
8 前項本文の規定は、同項ただし書に規定する場合において、建物の取壊しの工事の着手を妨げる理由がなくなつた日から六月以内にその着手をしないときに準用する。この場合において、同項本文中「この期間の満了の日から六月以内に」とあるのは、「建物の取壊しの工事の着手を妨げる理由がなくなつたことを知つた日から六月又はその理由がなくなつた日から二年のいずれか早い時期までに」と読み替えるものとする。

(建替えに関する合意)
第六十四条 建替え決議に賛成した各区分所有者、建替え決議の内容により建替えに参加する旨を回答した各区分所有者及び区分所有権又は敷地利用権を買い受けた各買受指定者(これらの者の承継人を含む。)は、建替え決議の内容により建替えを行う旨の合意をしたものとみなす。

(区分所有法)
(建物敷地売却決議等)
第9条 第七条に規定する場合において、当該区分所有建物に係る敷地利用権が数人で有する所有権その他の権利であるときは、区分所有者集会において、区分所有者、議決権及び当該敷地利用権の持分の価格の各五分の四以上の多数で、当該区分所有建物及びその敷地(これに関する権利を含む。)を売却する旨の決議(以下「建物敷地売却決議」という。)をすることができる。
2 建物敷地売却決議においては、次の事項を定めなければならない。
一 売却の相手方となるべき者の氏名又は名称
二 売却による代金の見込額
三 売却によって各区分所有者が取得することができる金銭の額の算定方法に関する事項
3 前項第三号の事項は、各区分所有者の衡平を害しないように定めなければならない
4 第一項に規定する決議事項を会議の目的とする区分所有者集会を招集するときは、区分所有法第三十五条第一項の通知は、同項の規定にかかわらず、当該区分所有者集会の会日より少なくとも二月前に発しなければならない。
5 前項に規定する場合において、区分所有法第三十五条第一項の通知をするときは、前条第五項に規定する議案の要領のほか、次の事項をも通知しなければならない。
一 売却を必要とする理由
二 復旧又は建替えをしない理由
三 復旧に要する費用の概算額
6 第四項の区分所有者集会を招集した者は、当該区分所有者集会の会日より少なくとも一月前までに、当該招集の際に通知すべき事項について区分所有者に対し説明を行うための説明会を開催しなければならない。
7 前項の説明会の招集の通知その他の説明会の開催については、区分所有法第三十五条第一項本文及び第二項並びに第三十六条並びに前条第二項から第四項までの規定を準用する
8 建物敷地売却決議をした区分所有者集会の議事録には、その決議についての各区分所有者の賛否をも記載し、又は記録しなければならない。

(取壊し決議等)
第11条 第七条に規定する場合においては、区分所有者集会において、区分所有者及び議決権の各五分の四以上の多数で、当該区分所有建物を取り壊す旨の決議(以下「取壊し決議」という。)をすることができる。
2 取壊し決議においては、次の事項を定めなければならない。
一 区分所有建物の取壊しに要する費用の概算額
二 前号に規定する費用の分担に関する事項
3 取壊し決議については、第九条第三項から第八項まで並びに区分所有法第六十三条第一項から第五項まで、第七項及び第八項並びに第六十四条の規定を準用する。この場合において、第九条第三項中「前項第三号」とあるのは「第十一条第二項第二号」と、同条第四項中「第一項に」とあるのは「第十一条第一項に」と、同条第五項第一号中「売却」とあるのは「取壊し」と、区分所有法第六十三条第一項、第四項及び第五項並びに第六十四条中「建替えに」とあるのは「取壊しに」と、同条中「建替えを行う」とあるのは「取壊しを行う」と読み替えるものとする。

(被災区分所有法)

2 誤り。

建替えをするわけではないので、建替えに要する費用の概算額を通知する必要はない。
(被災区分所有法11条3項)

3 正しい。

区分所有者集会における建物取壊し決議において、建物の取壊しに要する費用の分担については、各区分所有者の衡平を害しないように定めなければならない。(被災区分所有法11条3項)

4 正しい。

区分所有者集会において建物取壊し決議に賛成した区分所有者については、当該決議の内容により取壊しを行う旨の合意をしたものとみなされる。(被災区分所有法11条3項)

(解法のポイント)
複雑な準用関係に戸惑うかもしれないが、正解は、案外簡単に導ける。
被災区分所有法と聞くと、苦手意識があるかもしれないが、落ち着いて解答したい。

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